下記の文章はは平成9年の山形県主催の「美しい山形つくり」提言への投稿原稿です。
この文章で「一般の部」の最優秀賞をいただきました。
(賞金の5万は妻にあげた記憶がございます)
ここで提案している「小野川ホタルの里昆虫園」は米沢市の「コミュニティーセンターと昆虫園は
同時に2たつできない」との理由で、2キロ離れた簗沢の田んぼのど真ん中コミュニティーセンターに
「昆虫館」が併設され形で完成しようとしてます。「山谷昆虫コレクション」の山谷文仁さんが言った
「死んでる昆虫は生きてる昆虫のため役立てるべきだ」と異なり、生態園と連動しない「箱物」が
できようとしています。管理は当初市教育委員会で直接行うとの約束でしたが、地元の公民館管理運
営委員会の下に「米沢昆虫館管理運営会」を組織する提案がなされています。残念です。
高知の四万十川の「トンボ王国」のようなホタルもいる自然の活用を地域全体の自然を保全しながら
進めたいと思っています。「大樽川荒廃砂防工事」で「自然体験学習施設」の設置を求めております。
    2003年5月25日現在   蔦幹夫

          
              田舎こそ、山形の魅力          

                                                米沢市    蔦 幹夫   

 県政の重要政策として「交通網の整備」が必ずあります。山形新幹線・庄内空港・東北

中央自動車道など高速交通網の整備は山形県をバラ色にするように思えます。しかし、高

速交通網は諸刃の剣ではないでしょうか。道路が整備されれば、確かに便利になりますが

、県民にとって「豊かさ」「しあわせ」の実感の確証になるでしょうか。地域に魅力がな

ければ、道路網が整備されても、観光客は山形・米沢を通りすぎて、喜多方・会津へと流

出します。買い物客は仙台へと流出します。そして、工業団地が整備促進され、雇用需要

が創出されても、住んでいる人々が地域に魅力と愛着を感じなければ、雪の多い山形県を

捨て、福島に住まいを移し、米沢へ通勤すると思います。

 県民一人一人が「俺たちが住んでいる山形県は良いところだ」と自慢できる郷土作りが

必要だと思います。不便であっても、雪が多くても、自分の地域に愛着を感じ、県外の知

人に誇れる山形づくりが必要と思います。それから、高速交通網です。

 地域の魅力作りは地域の欠点の是正から出発するのでなく、地域の特性を活かすプラス

発想が求められます。地域の長所の発見と育てることが必要です。特に、他の地域にはな

く、真似が出来ない地域固有の独自性の伸長こそが地域のアイデンティティ−の確立にな

ります。

 我々は米沢の長所・地域固有の独自性を、「上杉の歴史・文化」と「やすらぎの自然」

と思っております。そして、貴重な自然の保護が叫ばれる中、見失われがちな「身近な自

然」の保全・再生に関心を持ち、自然と人間が共存できる環境を考える場として、「小野

川ホタルの里昆虫園」を提言しております。橋田寿賀子ドラマに見られる様に、日本の良

き・懐かしい田舎の「どまんなか」は山形であり、田舎は人間と自然が対立する場でなく

、人間が自然界の一員として、自然を畏敬し、共存しようとする場であります。そこは、

貴重な自然でもなく、人に険しい自然でない、二流・三流の自然でも、人に優しく、人に

やすらぎを与える「身近な自然」です。自然と人間が共存する田園風景を再現し、自然と

人間の関係を考える場としての「自然凝縮園」を提言しております。     

 小野川地区では、蛍が環境庁の『ふるさと生きものの里』に指定され、米沢ホタル愛護

会が中心となり、地域を上げて保護活動をしております。蛍の名所と捉えるだけでなく、

蛍は「身近な豊かな自然のシンボル」として、地域の「身近な自然」の保全・再生に向け

ても活動しています。その中で、米沢市内の身近な自然に関心のある、トンボ・蝶・植物

・山野草などの領域で活動されている人々とともに、蛍の公園ばかりでなく、昆虫の楽園

となる「生態園」を作ろうとなりました。「豊かな自然」とは貴重な自然でなく、生物の

地域の固有性と多様性が豊かな環境であります。この「豊かな自然」を再生し、小野川の

地域固有の長所の蛍を段階的に発展させ、トンボや蝶などが飛び交う「やすらぎの自然」

を十分に感受できる「生態園」こそ、地域住民が「田舎の素晴らしさ」と誇れ、都会の人

々に自慢できる事の一つであります。そして、身近な自然を豊かにする情報の発信基地と

しても機能します。

 現在、地域住民で「小野川ホタルの里昆虫園」候補地の蛍の水路や池の草刈り・水管理

・堰上げ等の維持管理をしております。更なる構想の実現には行政の積極的な協力が必要

であります。我々は、「小野川ホタルの里昆虫園」を「身近な自然」の立場、地域固有の

長所の段階的発展による地域づくりの立場から提言しております。この地区がある三沢地

区は自然保護の原点と言われる「草木供養塔」の発祥の地でありますが、我々の構想が実

現され、この地区を発祥地として、山形県内へ波及し、山形県が「日本の良き田舎」とし

ての身近な自然が豊かなになる事を望んでおります。

 今年7月に小野川にて、全国初の「小野小町サミット」を全国から小町伝説の各地を招

待し開催致しました。作家の井沢元彦氏に基調講演して頂き、サミット後に小野川の蛍を

見学して頂きました。井沢氏は飛翔数約500匹のゲンジボタルを見て、感激し、微動だ

にしませんでした。山大生も男同志でも沢山観賞しに来ました。山形という「田舎」でお

客さんをもてなすには「自然」が一番と更めて痛感しました。山形で見栄を張って、東京

のミニコピ−してコンクリ−トジャングルの建物を作っても、感動はありません。山形は

山形の地域固有の独自性=田舎=自然を認識し、田舎の素晴らしさを都会に発信すべきで

す。未来の山形のため、田舎を負とした発想から、田舎の長所を県民が誇れる地域作りを

今こそ実践したいです。